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 岩井俊二の結構前の作品に「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」というのがある。花火も、下から見るのと横から見るのでは、全くかたちが異なって見えるのだ。これは当たり前のことのようだが、自分が見えているように、周りも見えているのだと錯覚してしまうことは意外と多い。

 同じように、ひとつのものごとを見ても、人によって見え方・感じ方・考え方は全然違う。頭ではわかっているはずなのだが、自分とは異なる他人の考えに触れてハッとすることがよくある。

 今日はマスコミ塾の日だった。マスコミ塾では、志望ごとに少人数のゼミを作って、勉強会を開いたりする。わたしのゼミは面白い人ややる気がある人が多くて、掲示板を作って、気になったCMやTVやニュースについて書き込んだりしているのだが、その掲示板上で何度も話題に上がって議論になったのが、「オレンジデイズ」論だ。好きな人と嫌いな人が分かれて、それぞれ主張したりしていたのだが、ネット上で議論しても…ということで、今日授業の後に直接話すことになった。

 「障害者の価値観を一般化して押し付けているのがいやだ(例えば、障害者は自分の価値観をネガティブに捕らえているという前提)。」
 「このドラマをみて、障害者の人がこんなときに困ったり悲しかったりするのだというのが、リアルに伝わってきて理解が深まったからよい。」
 など、色々な意見が出たのだが、どちらが正しいというわけではなく、どちらの意見も確かに当てはまることがある。本当に人によって感じ方が違うのを改めて実感した。

 わたしはというと、うーん、双方の言い分ともわかるなぁという曖昧な意見だったのだが、友だちが言った一言にとてもハッとした。
 「オレンジデイズって脚本北川悦吏子なんだよね。」
 北川悦吏子といってすぐ連想できるだろうか。そう、この脚本家は障害者をテーマにした作品が多いのだ。「愛していると言ってくれ」では、豊川悦司が聴覚障害者役を演じていた。「ビューティフルライフ」では、常盤貴子が車椅子の障害者役。そして、今回の「オレンジデイズ」では柴咲コウが聴覚障害者の役だ。これに気づいてとても違和感を感じた。

 恋愛のドラマというのは、何かふたりの間に問題があってそれを乗り越える過程で感動させるというひとつのパターンがある。こう見ると、北川悦吏子は、この恋の障壁を恋するふたりのどちらかに障害を与えることによって、感動を与えていることになる。しかも、そのような作品を何本も作っていることが引っかかった。

 この人は、何か障害者にとても思い入れがあって、それを伝えようとしているのか、それとも、やはり障害を主人公に課すことによって話をより盛り上げよう、感動させようという意図なのだろうか、それをわからないと何とも言えない。そう思って、「北川悦吏子」と「障害」というキーワードでYAHOO!で検索してみたが、あいにくわたしには、北川悦吏子がそれについて語った言葉は見つけられなかった。

 でも、その代わりに、多くの人のこのドラマについた意見は見ることができた。
 
 ・「オレンジデイズ」は手話を使った場面が多くあり、柴咲コウ演じるヒロインの台詞が字幕で書かれているので、ドラマの中で手話による会話が始まると、画面から目を離せなくなる。なので、手話ドラマの場合、通常のドラマよりも自然と画面への注目率が高まる。その結果、タイミングよくCMが挿入されると思わず、そのまま見てしまうことになる。手話ドラマは、広告主にとっては、おいしい番組であるのは間違いない。
 ・バリアフリーという言葉は「ビューティフルライフ」でのキムタクの「俺がお前のビューティフルになってやる」という台詞で一般化された。
 ・障害を持った役者が障害者役を演じればもっと「障害者もの」はおもしろくなるんじゃないか
 ・障害者ドラマは感動しやすいが、その感動が健常者である自分らの、無意識的な優越性からくる同情と寛容と優しさによるものではないかと感じるときもある
 ・「ビューティフルライフ」で常盤貴子が「車を運転しているときだけ、私は普通になれる」という台詞があるが、「障害」を取り巻く環境で、「普通」という言葉がどれだけ忌避されているか、わかってほしかった。
 ・ドラマを見て、障害者との恋愛ってあこがれる人がいるかもしれないけど、正直、それだけはやめて欲しい。興味本位っていう気がする。(障害を持っている人の意見)

 何個か意見を挙げてみたが、やはり、人それぞれ本当に感じ方はさまざま。これを見て思ったのだが、情報を鵜呑みにしてしまうことや、自分の考えが一般論だと思ってしまうことは本当に危険だなぁということ。こんなにたくさんの情報があふれている世界で、情報を与えられて、「はい、そうですか」とすぐ自分の中にインプットしてしまうのではなく、「これは本当にそうだろうか?」「他にこんな考え方はできないだろうか?」自分の中でもう一度反芻して、考えて、そして他人の意見も聞いてみる。そして、自分なりに消化すること。それが求められている時代なんじゃないかなぁと思った。マスコミを目指す上でもそれは常に意識しなければいけないんじゃないかなぁと。

 下から見たり、横から見たり、たくさんの視点から多角的にものごとを考えられるような人でありたい。





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