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no rain, no rainbow

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大騒ぎの転倒から3日後の夜、
テレビを見終わって寝ようとすると、
グレーのスウェットの右ひざの部分に
血がついているのがわかった。

何だろうと思って、まくってみると、
ひざが擦りむけて
傷がぐちゃぐちゃになっている。

点滴棒を引きずってナースステーションまで歩く。

だいぶ入院生活にも慣れたし、
脳神経外科の看護婦さんはみんな仲良くなった。
でも、やっぱりナースコールを押して、
看護婦さんを呼ぶのを毎回躊躇してしまう自分がいる。
病人と自覚するのが嫌なだけかもしれないな。


看護婦さんに「沁みるよ」と言われて
塗ってもらった消毒薬がまったく痛くない。

「なんで今まで気づかなかったの?」と聞かれて
ようやく気がついた。

わたし、右足の感覚がない。

至急、検査をすると、
右足の温覚・痛覚が麻痺していることがわかった。

麻痺は左半身だけだと思っていたけど、
後遺症はこんなところでまた明らかになった。


また、ある夜、いつもより点滴で刺されてる部分が
やけに痛くて、目が覚めた。

電気をつけて、腕を見てみると、
点滴がもれて、
血がチューブに逆流している。

あわててナースコースを押しながら、
そのチューブを改めて見てふと思った。

「わたし、生きてるんだなぁ。」


大人になってみると、
血というものは、
案外見る機会がとても少ないような気がする。

小さいころは、転んだり、切ったり、
ブランコに突っ込んだり…
やんちゃな分、何度も自分の血を見てきた。

からだには同じように血が流れているのに、
めったにお目にかからない。

でも、入院してみると、
病院には血の気配みたいなものを常に感じる。

それは、汚いとか気持ち悪いとか
そういう陰湿な意味ではなく、
もっと本質的なもの。

死が近くにある病院は、
いのちに繋がっているものとして、
“血”の気配がある。

好きだった注射は、
入院中にされすぎて嫌いになったけど、
たまに血を見るのはいい気がする。

血を見て安心するなんて変な話だけど、
生きものには当然のように
紅い液体が流れている。

だから、生きていられるんだな。





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