彼女が声を発した瞬間、空間が変化した。わたし自身のからだを通じて、それをすごく切に感じてた。鳥肌と涙。
空間全体が大きな心臓になったみたいな感じ。空間が震えてた。
その小さなライブハウスの中に、たくさんの強い想いが集まっていて、それが彼女の歌の力によって共鳴し合っているような。そして、それらの想いの集まりは、彼女の歌によって、慰められているような。彼女の声に合わせて、みんなが一緒に呼吸してた。
先週の金曜日、渋谷CLUB QUATTROで、だいすきなSalyuのライブに行った。Lily Chou-Chouの時からすきだったけど、生で彼女の声を聞くのは初めて。CDから聞く声だけでもこんなにこころが動かされるのに、生で聞いたらどうなるだろうって、すごくどきどきした。
SalyuのHP(『Salyu.jp』http://www.salyu.jp/flash.html)があるんだけど、そこに彼女がこう書いてた。
『たぶん、丸くて重たいという価値を信じている。
世の中で、最高にクールなもの、クールなことは
「まるくって重たい」だ。
ファーストアルバム「ランドマーク」
「どのような作品になりましたか?」って良く聞かれる。
すると私は「今のベストを注ぎました」と答える。
私にとっての「丸くて重たい」を、できる限りあらわしたってことだ。
例えば、みんなの心臓みたいに。左の胸の中にあるね。
その体温になってみたいって思う。
たとえば私の心臓の、その温度をつたえてみたいとも。
凄く、まるくて重たい…』
わたしはこの言葉にすごく惹かれた。“まるくって重たい”の価値がなぜかすごくよくわかる気がする。それは、きっと彼女の曲から、それが伝わるから。そして、わたしもまるくって重たいものを守って生きたいと思ったから。世界がまるくって重たくなったらいいなとも思うから。
みんなもこの“まるくって重たい”は感じるかなぁ。よかったらぜひ、Salyuの曲(Lily Chou-Chouも!)を聴いて、感想を聞かせてください。
話は変わるけどね、わたしが来年から働くことになった会社は、わたしがやりたいことが実現できるのはもちろんだけど、わたしが考えてたことが、社長の考えと強く繋がってたことがすごく大きな魅力だった。フィリピンのゴミ捨て場に行ったときに思ったこと。わたし達は物質的には豊かになったけど、精神的には貧しくなった部分があるんじゃないか。だから、精神的な豊かさ、こころの豊かさに繋がるような仕事が、生き方がしたい。
だから、社長が説明会でこう言ったのを聞いたときは、ほんとにうれしかった。
「物質的な世の中になって、お金とかスキルとか昇格とかが幸せを計る基準になった。でも、人間自体の幸せはそんなもので計れるものじゃないと思う。本当に幸せな時間を持てることが幸せなんじゃないか?本当は精神的な豊かさが求められているんじゃないかと考えた。感動できる世の中にしたい。」
それで、わたしは面談のとき、社長に聞いた。そう思ったきっかけは何ですか?って。社長の答えはね、高校で行き詰ってる時、自分は何も生産してない事に気づいたこと。それで、何を生産したいかって追及したときにたどり着いたのが“感情”だったってこと。
“感情を生産すること”
それを聞いたとき、わたしはこの会社に会うために就活してたんだなって心底思った。
なんでいきなり社長の話になったかっていうと、Salyuも社長も大きな意味で繋がってるような気がしたから。そして、その一本の線の端っこにわたしもいたいと思ってる。
歌という手段で、感情を生産し、人と人をつなぐSalyu。
ビジネスという手段で、感情を生産し、人と人をつなぐ会社。
両方すごく魅力的。
すごく難しいけど、わたしもそんな人になりたい。Salyuのライブに行って、彼女の歌を聴いて、エネルギーが充満してる空間にいて、それを改めて切に感じた。
すごくすてきな一日でした。