最近、妹が気まぐれで図書館から借りてきた『アバウト・ア・ボーイ』って本を、同じく気まぐれに読んでみた。(映画にもなったからみんな知ってるかなぁ。主演はヒュー・グラント。てか、彼かっこよすぎだよねぇ。)わたしはめったに外国人作家の小説なんて読まないから(メキシコに行ったときに相方が持ってた小説を読んだきり!)なんだかすごく新鮮だった。
本で読むより映画で見たい内容だなぁって終始思いながら読んでたけど、ピンと来ることばに出会った。予想してなかったとこで、出会うべきものに会える喜びって格別。
まさしく、中島みゆきの『逢うべき糸に 出逢えることを 人は仕合わせと呼びます』って感じだった。(「糸」より。)
今日はそんな仕合わせをくれたことばをふたつ。
『ポイントは、あなたが前に進みつづけてるってこと。そうしたがってるってこと。あなたをそうさせてるものすべてが、ポイントなの。あなた自身は気づいてないかもしれないけど、でも、心のなかじゃこっそり、人生も悪くないな、って思ってるでしょ?あなたには愛してるものがあるの。』
これは、仕事もなく、だからと言って働く気もなく、亡くなった父が作曲したクリスマスソングの印税で悠々自適に過ごしてる36歳のウィルに向かって、彼が生まれて初めて恋に落ちたレイチェルが言った言葉。
なんだか、すごく共感してしまった。人生って案外そういうものなのかもしれない。ウィルの愛してるものは、テレビ、音楽、食べもの、女性、セックス…。そういうものたちは、一見くだらない。でも、それらが、人を幸せにしたり、前へ進ませたりする。わたしは、夜寝る前に、このBLOGを書いたり、本を読んだりした後、あったかい紅茶を入れて飲む瞬間がすごく幸せ。そして、その紅茶を飲んだ後のベランダの一服も。でも、ふとそういう小さな幸せを感じられるわたしってほんとに幸せだなぁって思う瞬間がある。その先に、すごく大事なことがつながってる気もする。そういった毎日のつながりの中で何かが生まれる時がある。
そのいくつかの会話の後に、レイチェルがウィルに告白する。何年も前だけど、ほんとにほんとに落ち込んで、自殺したいと思っていた時があったこと。そして、次のセリフを言うのだ。
『でも……とにかくいつだって、今日はダメ、って感じだったの。明日はわからないけど、今日はやっちゃダメ。そうやって数週間すぎたら、そんな事は絶対にやらないだろうってわかった。だって、ほかにやりたいことがあったんだもん。人生は最高って感じじゃなかったし、進んでそこに参加したいって感じでもなかった。だけどね、いつだって必ず、ひとつかふたつ、やり残したことがあるって気分だった。それをやっておかなきゃ、って。(途中略)本の仕事を終えたばかりだとしたら、実際に出版されるのを見とどけたかった。男の人とつきあってるんだったら、もう一度だけデートしたかった。(途中略)そんな、ささいなこと。でも、いつだって、何かがあったんだよね。そして最後には、いつだって、どんなときだって、必ず何かがあるんだってことに気づいたの。それだけで充分なんだ、って』
わたしはこの言葉の意味がものすごくわかる。だって、わたしもそうだった。死にたいって思いながらも、やり残したこと、やりたいことがいっつもどっかに引っかかってた。わたしの場合、友だちが貸してくれた本を読み終わってなかったり、誘われた花火大会の予定があったり、毎晩友だちが心配して送ってくれるメールに返信しなきゃいけなかったり、わたしにもまだ何か可能性が残ってるんじゃないかって信じてみたり・・・。
気分の浮き沈みはすごく沢山あったけど、そんなことは、寝れない夜にいっつも考えてた。そして、気づいたことは、レイチェルと一緒だった。
「いつだって、どんなときだって、必ず何かがあること」
それは、ほんとに幸せなことだ。
だから、わたしは夢が見つかった。自分ができること、やりたいことがだんだんと見えてきた。色んな人と会った。友だちもさらに増えた。いっぱい刺激をもらった。
今週の水曜日、一番行きたい会社の最終面談がある。毎日、今までの経験や、そこから考えてきたこと、叶えたいと思っていたことをノートに書き出したりしている。色んなことを思い出す。夢がふくらむ。
今まで少しずつでも前に進み続けてきたことが、ひとつの線に繋がればいいと思う。
就職活動ラスト1社、わたしを今まで前に進み続けさせてくれた沢山の「ポイント」を振り返ってみようと思う。それを、わたしらしく素直な言葉で伝えてきます。